ペルチャッハのおうちでの生活
ウィーンで同居していた子供たちの実家であるペルチャッハの家は、ヴェルター湖が見える一軒家です。
私もみんなと一緒にしょっちゅう帰省(?)させてもらっていました。
子供が4人(男の子ばかり)のこのお宅は、それぞれの友達やいろんな人が出入りするとても開放的な家です。
そもそも私が知り合うきっかけになったのは、 20歳くらいの時にペルチャッハで開催されるブラームス国際音楽コンクールに参加し、たまたま事務を手伝っていた子供たちと仲良くなり、ちょっとお宅にお邪魔したことからでした。
ちょっとのはずが、いまだに続く家族ぐるみのおつきあいになるとは、人との縁とは不思議なものです。
その時のコンクールでは結果を残すことは出来ませんでしたが、かけがえのない第2の故郷を得ることが出来ました。
そんな彼らの実家ではいつも玄関でゴールデンレトリバーのリサがお出迎えしてくれます。
そして玄関脇にはちょっとしたテーブルと椅子を置いて、軽食をとれるように。朝はお父さんが焼きたてのパン(ゼンメル)を買ってきて、コーヒーを淹れてくれますが、ここで朝食をいただくととても気持ちがいいのです。
左上:玄関にいるリサ(まだ子犬の時です)
右上:玄関脇で軽食。ご両親とポーランド人の職人さん(ウィーンとペルチャッハの家のリフォームを住み込みでしてもらっていた)
食事といえば、オーストリアでは休日のメインは昼食です。
リビングにある大きなベルを鳴らして誰かが「エッセン~!(ごはんだよ~!)」と集合をかけます。
食器を並べるのは子供たちの仕事。大鍋にある料理を人数分の各皿に給食のようにとりわけるのも、手の空いた人がササッとやります。
そしてアペリティフ(食前酒)のサービスはお父さんがします。結構このお父さんが何でもするのに最初は驚きました。
夜はいわゆるKaltes Essen(冷たい食事-火を使わないものばかりという意味)が多いです。
ハムやチーズ、ピクルスなどの盛り合わせにパンにワインなど。質素な印象を受けますが、慣れてくるとやみつきになるほど味わい深い食事です。 ハムやチーズ、パンの種類は豊富で、ハマってしまうとつい食べ過ぎてしまいキケンです。私はお酒がそんなに強くないので、ワインをあまり楽しめなかったのが残念です。
左下:昼食はこのダイニングテーブルで。
右下:成犬になったリサと私の夫(子供が生まれる前に一度一緒に行きました)
山の別荘
ペルチャッハから少し離れたところに別荘もありました。この別荘で過ごすときはいつもたくさんの人が集まります。
標高約1,100メートルもある山の中のかわいらしい小屋で、夏はバーベキューをしたり、冬は暖炉を囲んでクリスマスや新年を祝ったりします。狭いスペースですが、家族以外にも友人・知人を集めてワイワイするのがみんな大好きなのです。
大きなチーズやベーコンを近くの農家のお宅にもらいに行く時は、森の中を子供たちと歩いて行くのですが、標高のせいか私の大嫌いなクモがあまりいなくて快適です。
標高といえば、空気が薄い(?)せいか私はいつもすぐ眠くなっていましたが、テレビも何もない自然の中は本当にリラックスできました。(とはいっても、電気も水道も通ってます。携帯電話もつながります)
左上:別荘の外観。暖房のための薪がたくさんストックされてます。
右上:ご家族のみなさん
左下・右下:角度は多少ずれてますが、ほぼ同じ場所から写した冬と夏の景色です。
この別荘ではいわゆる典型的なオーストリアの家具や食器、小物が使われていました。
そのどれもが高級品というよりは、長年愛用してきたぬくもりと質の良さがある、と言った方がしっくりくるようなものばかりです。
何気なく置いてある子供部屋の置物も、普段よく使う食器と同じ柄のかわいらしいグムンデン陶器だったり、 お皿拭きに使うリネンや枕・布団カバーに至るまで一枚一枚にイニシャルが刺繍してあったり、見ているだけで楽しかったです。
左上:別荘の小さなキッチンでクリスマスのチキンを焼いてます。
右上:クリスマスツリーは本物です。手前のハート形のくり抜きがある椅子はオーストリアの典型的なものらしいです。
左下:二階にある子供部屋の寝床。小屋はどこも天井が低く、特に二階の屋根の傾斜が急な部分は寝床になります。
右下:オーストリアで比較的庶民的な食器、グムンデン陶器(私も少し日本に持ち帰ってきました)。 厚ぼったくて温かみがあります。ヒビが入りやすいのですが、牛乳で煮ると目立たなくなるのだとか。